山口恭一の人生を変える就活

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いつ時間と頭を投資するのか?

人生の成功者に共通するもの

皆さんは、人生の成功者とはどういう人のことだと思いますか? 名誉や名声を手にした人? 他人がうらやむようなキャリアを獲得した人? それとも、お金持ちのことでしょうか?
確かに地位や名誉や財産というのは、成功の尺度のひとつではあります。しかし私の言う「成功者」とは、必ずしもそれらを手に入れた人たちだけではありません。私はどんなジャンルであるにしても、生き生きと仕事してる人、お客様やまわりから喜んでもらえてる人のことを、「成功者」と呼びたいと思ってます。
成功者とは、例えばタクシーの運転手さんなら、目的地までスムーズにお客さんを運び、喜んでもらうことに生き甲斐を感じている人。例えば大工さんなら、決められた予算の中で最良の家を建てて、やっぱりお客さんに喜んでもらえる人。例えばスポーツ選手なら、自分の持てる能力を精いっぱい使って、いいプレーを見せられる人。料理人なら、お客さんに提示する値段の中で最高の料理を出すことができる人。これは、2万円の料理なら2万円以上に、千円の料理なら千円以上に感じてもらえる、つまり費用対効果以上のものを提供できる人ってことです。そうすれば、お客さんは心から喜び、満足して帰っていくでしょう。
つまり、何かの目標を持って仕事に取り組み、人に喜んでもらえることを自分の喜びとしている人たち——これが、私の言う「人生の成功者」の第一の条件。それからもうひとつ、仕事の時間やプライベートの時間を自分でコントロールしてるというのも、成功者の条件です。つまり、人からやらされてないっていう証ですからね。
これは何屋さんであっても言えることです。サラリーマンだって、作家だって、美容師だって、ピアニストだって、八百屋だって、看護師だって、デパートの店員だって、芸能人だって、ヘルパーだって、みんな同じ。どんな商売であっても、単に儲けることだけを目標とせず、お金以外の目標を持って仕事していく幸せを感じている人、そして自分の時間を自分でコントロールしている人が、成功者なんだと思います。
じゃあ、そういった人生の成功者たちの共通点は何か? 私はいろんなジャンルの人に話を聞いてみました。そこでわかったのですが、みなさん自分の目標に対してしっかり投資をしているんですね。
投資と言っても、これはお金の話じゃありません。投資するのは「時間」と「頭」。皆さん自分の目標に時間と頭を投資することで、幸福感を手にしているんです。もちろん幸福感の基準は人によって異なりますが、お金じゃなく時間と頭を投資して、人生を楽しんでいるという点は共通している。
で、いつ時間と頭を投資したかと尋ねてみると、ほとんどの人が「若かったころ」と答えます。これは私自身の経験を振り返ってみても、やっぱりそうですね。人生の成功者が時間と頭を投資するのは、若いうちなんです。
では、その理由を次から考えてみましょう。

投資とリターンの時期を考える

皆さんはこれから先の人生、どう過ごしていこうと考えてますか?
——こんな質問をしても、いまの時点で明確に答えられる人はまずいないでしょう。しかし、仕事の目標を持てば、これから先の人生にも自然と目が向くようになります。
人の持ち時間には限りがある。だから目標を達成しようと思ったら、これから先の人生を見据えた上で、時間をうまく使っていかなくちゃいけない。というわけで、目標を持てば、自分の人生や時間について真剣に考えるようになる(というか、考えざるをえなくなる)んです。
それじゃ、人生というステージを念頭において、投資とリターンの時期を考えましょう。投資するのは前にも言った「時間」と「頭」。その結果もらうリターンとは、幸福感のことです。幸福感の内容は人によって違いますが、自由にコントロールできる時間、仕事での満足、お客様やまわりから喜ばれることなど、いろんなものが含まれるでしょう。
この本を読んだいまの時点から、すぐに投資は始めるべきです。そして入社10年くらいは、内容を変化させつつ投資する時期が続くでしょう。中でも大事なのは、最初の3年間の投資内容。その3年間の中でも最初の1年、その中でも最初の半年、最初の3カ月、あるいは内定期間中が勝負どころだと思ってください。とにかく最初が肝心!
ここで時間と頭を投資して頑張れば、早い時期にチャンスをもらうことがで きます。そこでまた時間と頭を投資すれば、チャンスを生かすことができる。
すると、さらに大きなチャンスがもらえる。この繰り返しで、新人のうちに大きな差をつけることができるんです。
つまり、会社に入ったら最初の10年で力をつけることを目標にし、そのために時間と頭を投資する。そして30代半ばくらいからは、ついた力を元手にしてチャンスを生かしながら、リターンとしての自由時間をもらうわけです。こうして40代50代になれば、もう完璧に力がついているでしょう。そうなったら、プライベートも充実させつつ体調をコントロールして、じっくり仕事していけばいいんですよ。後進の育成に励むもよし、新規事業に取り組むもよし。なかなかカッコいい人生じゃないですか。
いつ投資するかというのは、どこでリターンをもらいたいかによって変わってきます。しかし、40歳や50歳で投資したって、リターンをもらうのが歳70過ぎになってしまっては、もう人生そのものが残り少なくなってくるため、あまり意味がありません。
だから時間と頭を投資するのは、なるべく若いうちのほうがいい。だって考えてみてください。20代、30代、40代、50代のうち、人間の頭が一番よく働いて体がスムーズに動くのはいつだと思いますか? もちろん20代ですよ。つまり20代というのは、時間と頭を投資するのに一番安上がりな時期なんです。
おひとり様一度限りの人生です。どこで時間と頭を投資するかはあなた次第です。だけど人生の成功者になって幸福感を味わいたいと思ったら、20代のうちに時間と頭を使わなくちゃなりません。

仕事のコツとチャンスは年上がくれる

ここでもう一度繰り返します。時間と頭を効率的に投資するのは20代がベストです。この投資時期を間違えてはいけません。20代で何をどう投資して、いつリターンをもらうか、いまから考えておきましょう。
20代は一番安上がりに投資できる時期、しかも一番大事な時期です。会社の側も、ふつうは若い人にチャンスを与えようと考えます。そして20代で与えられたチャンスを生かすことができた人は、30代になってまたチャンスをもらえる。それを生かすことができた人は、40代でまたチャンスをもらえる……。こういう流れが仕事の場ではスタンダードなのであって、何も努力してこなかった人が40歳でいきなり大きなチャンスをもらえることは、まずありません。チャンスってのは、小さいものから少しずつ少しずつもらえるものです。
だからこそ、若いうちに年長者とお付き合いしておくことが必要になってくる。20代は年上の人と付き合わなくちゃいけません。あなたにチャンスを与えてくれるのは、何といっても年上の人なんですよ。情報をくれるのも、コツやノウハウを教えてくれるのも、人脈を作ってくれるのも、すべて年長者です。年長者との交流も、この時期の大事な投資のひとつです。
年上の人と付き合うのは時にシンドイものです。気も使わないといけないし、適当な言葉遣いだってできない。甘っちょろい考え方を思い知らされて落ち込んだり、生意気な態度に出て怒られたりすることもあるでしょう。けれども、それが自分にとっては何よりの社会勉強になるんです。同級生や年下の友達とばっかり付き合っていたら、そりゃあ精神的には楽でしょう。服装だって言葉遣いだっていい加減でいいし、気も使わないですむ。だけど、同級生は皆さんにチャンスをくれませんし、仕事のコツも教えてくれませんよ。
20代は意識的に年上の人と多く接し、年長者の人脈を増やしていくようにしましょう。その人脈をどうやって作るのか、具体的なやり方は「4 これが人脈作りのツボだ」のカテゴリーに書くことにします。