山口恭一の人生を変える就活

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どんなふうに目標を設定する?

本当の意味での自立とは

目標設定の話をするその前に、ひとつ質問です。自立するってどういうことだかわかりますか?
こんなふうにきくと、「ひとり暮らしすること」なんて答える学生がたまにいるんですね。バカバカしい、と一笑に付してしまいたくなりますよ!
自立イコールひとり暮らしなんかじゃありません。本当の意味での自立とは、仕事に目標を持つことなんです。そして、本当の意味での自立がなければ、本当の意味での自由というのもないんですよ。
始めのところでざっと述べたように、私も最初は自立してない落ちこぼれだった。現実から逃げていた。けれども仕事の目標を見つけたことがきっかけになり、自立と自由を手に入れることができたんです。そこから人生が開けていったのだと、いまにしてつくづく感じています。

私の就職、最初は消去法だった

浪人時代、ビジョンを持って夢を語る友達の様子に圧倒された話はプロローグでしましたね。その後先輩方のアドバイスをもらいに行ったとき、こんな言葉を聞かされました。
「男は死ぬまで仕事しなくちゃいけないんだ。だったら、やらされてる仕事じゃ つまらないだろう」
そして例の「5つの進路」を示された私は、考えたわけです。
「たとえ大企業に行ったとしても、一流大学を出てないと出世は難しい。かといって、ずっと下で働くのはいやだなあ…… “やらされてる仕事”から抜けられないだろうし。公務員だって同じだろう。いまからじゃ専門家にはなれないし。となると、残りは中小企業のサラリーマンか自営しかないけど、いきなり経営するのも無理な話だ。だったら、まず中小企業に入って力をつけてから自営だな……」
とまあ、できないものとやりたくないものを除いていったら、自営業しか残らなかった。こんなふうに、私の就職、最初は消去法だったんです。それでも自営業=経営者、つまり一国一城の主になれば、周回遅れの友達と比較されないですむ。自分の道はこれしかない、とは思いました。
ここからまたいろんな人に話を聞いたり、経営に関する本を読んだりするうちに、経営者にも「営業型」と「技術型」があると知ったんです。自分の場合、技術型じゃないなと思ったので営業型を選ぶことにした。ここでも消去法。でもまあとりあえず、20歳の春に目標は定まったわけです。
そこで、高卒で入れて営業力がつく中小企業を探し、レジャー会員権の販売会社に就職しました。これも「営業ってのは商品がいいだけじゃ売れないよ。自分を売り込む営業をやりなさい」と勧めてくれた人がいたので、“自分を売る”勉強のため、飛び込みセールスにチャレンジしようと思ったんです。
梅雨さなかの入社からその後の真夏の間、どしゃ降りの雨もぎらつく太陽もものともせず、毎日毎日ひたすら歩き回りました。一日の10キロ近くは歩いたでしょうかね。
ところが靴底がすり減るほど歩いても歩いても、これがまあ全然契約は取れない。どこへ行ったって玄関先で断られる。そもそも、レジャー会員権などという生活必需品でも何でもないものが、そんな簡単に売れるわけありません。まして社会に出たばかりの新米営業マンがいくら足を棒にしたところで、思うような成果は上がらなかった。心身ともにくたびれ果てましたよ。でも自分で退路を断っちゃったんだから、後戻りはできない。まさに背水の陣です。
職場は住んでる場所とあまり離れてなかったんですが、それでも毎朝早起きして、7時半には会社に出ていました。営業活動の準備を終え、9時過ぎからずっと外回りで歩き通し。12時半〜1時ごろにエリア内の営業マンが集まり、昼食を兼ねて午前中の経過報告をする。それから夕方6時半ごろまで再び営業活動。その後いったん会社に戻って結果を報告するんですが、翌日のアポイントが取れていない場合は、夜も10時近くまで営業します。最終的に会社へ戻るのが夜の11時。
日付が変わる少し前に帰宅し、営業終了時間ギリギリの銭湯に飛び込む。部屋へ帰ってきてからは、鏡に向かってセールスの訓練。そこから4、5時間も寝られればいいほうで、再び次の朝が始まる。
これが毎日毎日続くわけです。なのに、いくら頑張っても売れない。いつ霧が晴れるのか、いつ目の前の壁を破ることができるのか……まったくわからないから、ものすごく不安になる。「予備校に戻ってもう1回浪人やろうか……」とまで考えましたよ。
しかし、もちろんそんなこと絶対できない。それに、会社へ行くとそこには人生の縮図があるんですよ。売れてる営業マン=仕事ができる人は、みんなに喜ばれ、生き生きと充実して楽しそうで、とてもハッピーに見える。ところが売れてない人は、妻子を抱えながら、明日にも辞めようかと思い悩んでいる。まるで同じフロアに天国と地獄が存在してるようでした。毎日それを目の当たりにして、「俺は地獄へは行きたくない!」とつくづく思いましたね。
とにかく、やるっきゃない。いまは売れなくても、上司の言うことを素直に聞いて、売れる人の真似を一生懸命やっていれば、いつかはうまくいくようになる——そう信じて自分に言い聞かせる日々でした。不安は相変わらずあったけれども、私の場合は、素直さのほうが不安よりほんの少しだけ勝っていた。だから続けてこられたんでしょう。

目標はコロコロ変わるもの

さて、そうこうするうち、気がつけば入社してから2カ月半が過ぎていました。
そのころの私は漠然と、「10年くらい勉強して、30歳までには独立したい」と考えていました。だから当然、「経営者になる」というのが目標だったわけです。ところが、実際自分の扱っている商品が全然売れないのに、独立を目指すとか言ったって始まらないんですよ。目の前の問題をまず何とかしないと、将来の目標なんてすっ飛んでしまう。
そこで、そのころ会社でトップセールスの座にいた上司に相談してみたんです。全然売れないんだけどどうしたらいいのか、どうすれば売れるようになるのか。そして私が「最終目標は経営者になることなんです」と言うと、上司はこう答えました。
「経営者になりたいって? そんな先の話、いま考えたってしょうがないよ。お前の最初の目標は、『とりあえず1本』。まず今日、1本売ることを考えろ。売れないことを嘆いてたって時間のムダだ。昨日売れなかったことは忘れろ。そして、今日売るための具体的な目標を立てるんだ。午前中に絶対1本売ってやるとか、それがだめでもせめてアポだけ取ってやるとか」
これを聞いたとき、ボロボロッと目からウロコが落ちましたね。そうか、目標というのはひとつじゃだめなんだ! 大きな最終目標があって、そのためには○○をやる、○○のためには△△をやる、△△のためには◇◇をやる……というふうに、細かく枝分かれさせた小さな目標を積み重ねることが必要なんだ——それがこのとき初めてわかったんです。
言われたとおり私はその後、自分の当面の目標をぐっと身近なところに据えてみました。まず今日、午前中に1本契約を取ってやろう。それがだめなら、午後3時までに取る。それでもだめなら午後5時、あるいは午後8時。どうしてもだめだったら、今日売れなかったことは忘れて、また明日の目標を立てる。そんなふうに切り替えてみたんです。もちろん実際の営業のやり方は、たくさん売っている人や仕事の上手な人に話を聞きながら、その人たちの真似をするよう心がけました。
そうして迎えた九月、ようやく初めての契約がもらえたんです。このとき、アポだけは私が取ったんですが、お客様に実際の営業トークをしたのは同行してくれた上司でした。「お前は横に座ってるだけでいい。俺が売るから、黙って見てろ」と言ってくれたんですね。
この上司は仕事に厳しい人でしたが、私をとても可愛がってくれた。いろんなことを勉強させてもらいました。営業マンとして初めての売り上げを上げたその日、高級クラブに連れてってくれたのもこの上司です。きれいなホステスさんや1本ン万円もする高〜いお酒を前にして、びっくり。生まれて初めて味わうゴージャスな雰囲気に、すっかり舞い上がりましたね。
「いやーすごいな……こんな高級な店があるんだ。今度来るときは上司のおごりじゃなくて、自分のお金で楽しめたらいいな……」
正直、そう思いました。すると今度はそれが一番身近な目標になる。その目標が達成されれば、また次の身近な目標が出てくる。
こうして私の場合、「とりあえず1本」→「自分のお金で高級クラブへ行く」 →「四畳半一間の部屋からマンションに引っ越す」→「親を旅行に連れていく」というように、そのときどきの状況に応じて身近な目標がコロコロ変わっていきました。
こんなふうに、身近な目標というのは変化するものです。うまく達成できたから次の目標に移るという場合もあるが、途中で失敗したり挫折したりして、変えざるを得なくなることだってある。そのたびに修正し、微調整しながら、細かく細かく変化させていくんです。私もうまく達成できなかったり、壁にぶつかったりしたときには、その都度いろんな人にアドバイスをもらいつつ、目標の見直しをやってきました。そんな具合に小さな目標を積み重ねていった結果、現在に至っているわけです。
毎日頑張れる身近な目標、毎日こだわっていける目標、毎日かえりみて忘れずにいられる目標を、ひとつひとつクリアしていくことが大事なんです。

目標は短期・中期・長期のスパンで設定する

目標というのは、ゴールまでの道のりが長ければ長いほど、持ち続けるのが大変になってきます。だから目標の持続期間が長い人は、ある意味天才ですね。イチロー選手や松井選手だって福原愛さんだって、「プロ野球選手になりたい」「卓球でオリンピックに行きたい」という目標を持ったのは子供のころでしょう。天才とは、小さいころに目標ができて、それをずっとずっと持ち続けられる人のことなんです。
だけど、凡人にはなかなかそれができない。人間ってのは弱い存在ですからね、遠大な最終目標にたどり着くには、すぐ頑張れる目標が身近にないと難しいんです。
だから目標はひとつだけに限定せず、短期・中期・長期と、3段階くらいのスパンで設定したほうがいい。最終的には大きな長期目標があって、そのためには○○をやる、○○のためには△△をやる、△△のためには◇◇をやる……というふうに、細かくブレイクダウンさせた中期目標、短期目標を積み重ねていくことが必要なんです。
最終的な目標にはもちろん遠大な夢を掲げるべきです。けれども短期の目標は、できるだけ身近なものにすることをお勧めします。それを積み重ねていったら最終的な長期目標へ行き着く、といった短期目標だと一番いいが、上司や先輩に褒めてもらう、なんていう小さなものでもかまいません。とにかく、自分が毎日頑張れるような目標にすること。こうすれば短期目標が見つかる
短期目標がなかなか持てないという人に、やってほしいことがふたつあります。まずひとつ目は、スケジュールの隙間を仕事で埋め尽くすようにすること。勤務時間はムダなく勤務で埋め尽くす! これが仕事の基本です。隙間なく仕事していれば、まわりの見る目も違ってきて、期待されるようになる。仕事上手と思われるだけでも、目標が見つかりやすくなります。
営業マンを例にとって説明しましょう。例えば、午後1時にお客様とのアポイントが入っていたとします。仕事下手な人間のスケジュールだと、午前中いっぱいが「その準備」になってたりする。準備そのものにそれほど時間がかかるわけはないので、この場合は午前の3時間がムダになってしまいます。準備などという曖昧な予定にせず、「お客様への手紙を書く」あるいは「買ってくださったお客様にアフターコールをかける」といった具体的な営業行為をおこなえば、密度の濃い勤務時間を作ることができる。そうするうちに、「明日の午前中は○○本のアフターコールをかける」といった短期目標も見つかるはずです。
事務系の人だったら、その日やるべき仕事をまず仕上げてしまいましょう。そして時間が余ったら、翌日の分まで仕事をする。とにかくスケジュールの隙間を埋め尽くすんです。そうやっていれば、自分の取り組むべきことが見えてくる。書類の形式を見やすく統一したり、パソコン内のファイルを整理したり、やることはいくらでもあるでしょう。
次にふたつ目は、自分以外の人のためを意識して目標設定すること。例えばプロ野球選手が試合中に、「年収をアップさせたい!」なんて考えながらプレーするでしょうか? いやいや、たとえ10億円プレーヤーだって、ケガも恐れずスライディングする瞬間に頭に浮かぶのは、自分の年収アップじゃなく「チームのために勝ちたい」という気持ちであるはずです。人間ってのは、自分自身より人のため親のため、家族のため、先輩のため、部下のため、上司のためを思うと、本来以上の力が出るもんなんです。

大事なのは期限を区切ること

それに加えて大事なのは、目標の期限を区切ることです。「○○を何月何日までにやる」というふうに具体的なタイムリミットを設けなきゃ、目標なんて絵に描いたモチになってしまいますよ。期限を切らないと力はつかないし、目標も達成できません。
ところが多くの人は、一生懸命やることで期限から逃げようとするんですね。一生懸命だけじゃ力がつかないんです。なのに、「なかなか目標達成できないけど、自分なりに一生懸命やってるんだし……」と、“一生懸命”を言い訳に使ってしまう。これじゃ、いつまでたってもだめですよ。
目標を決めたら、必ず期限を区切ること。まずは明日の目標を決めましょう。そうすれば、次が見えてきます。
それにはなるべく数値化できる目標を設定するのがいいですね。そして目標と期限が決まったら、まわりの人間にそれを何度も宣言してしまいましょう。自分を追い込むために。

私がどうやって目標を設定・調整してきたか

それじゃ、ここでまた私自身の話に戻りましょう。
レジャー会員権販売会社に入社して3カ月、ようやく契約が取れてホッとした新米社員の私でしたが、それで安心したわけじゃありません。1本売れると今度は、売れなくなるのが怖くなってしまった。そこで「今月中にもう1本売ってやるぞ!」と考えたんです。短期目標が最初の「とりあえず1本」から、「頑張ってもう1本」に変化したわけ。
1本売るためには、1日に少なくとも3〜5件のアポイントを取らなくちゃな らない。1日3〜5件だと、午前中に2件は取らなくちゃならない。ということは、10時半までに1件。だったら、15軒ほとのお宅を訪ね歩く必要があるな。よし! ……とまあ、こんな具合に目標をブレイクダウンさせていきました。ごくごく短い目標だと、力を持続しやすいんです。
朝から夕方まで歩き回って、1本契約が取れたら、「まだ夜までに時間がある。よし、もう1本行こう」と自分をどんどん追い込んでいった。いま思うと、ここで欲が出たことが、プラスの結果につながったんですね。今月は1本売ったからもういいや……と思ってたら、そこで営業マン人生終わりだったかもしれない。
で、結論を言うと九月中にもう2本、さらに翌十月にも4本の契約が取れたんです。それでもこの会社の場合、営業の販売実績は毎月末の時点でいったんリセットされてしまうシステムでした。そうすると、また売り上げゼロからのスタートになるわけです。今度はそれが怖くなる。だから、十月末に契約の段取りをしておいて、十一月の売り上げに持っていけるような工夫をしました。
月の初めに売ることができれば、精神的な余裕が生まれます。すると、その月ずっと行け行けムードで仕事することができる。これが、ほぼ一カ月間も上司にお尻を叩かれつつ、月末になってようやく売れたとなれば、数日後にまた月が変わってゼロに戻ってしまう。たとえ同じ成績でも、月初に売れた場合より精神的ダメージが大きいんです。
というわけで、私の短期目標はここから「月初に売る」というものに変化しました。さらに、「少なくとも前月と同じだけ売る」というのが1カ月単位の目標になる。これが中期目標ですね。
そうやっていくうち、私はしだいに仕事のコツと面白さをつかんでいきました。レジャー会員権なんてそう簡単に売れるもんじゃないと前に言いましたが、一度売ったら同じ人には二度と売れないってところも営業マン泣かせの商品です。だから常に新しいお客様を開拓していかなくちゃならない。それでも、確かな目標を持って毎日仕事していれば、ターゲットとなるお客様の層もわかってくるし、効率的な動きもできるようになります。
何屋さんでも、上手になれば仕事ってのは楽しいもんです。上手になれば売れる。売れる営業マンになれば、お客様に喜んでもらえて、信頼も得られて、紹介がいただけるようになる。そんなつながりを大事にしていけば、どんどん継続して売れる。そうなれば仕事は楽しい。何がニワトリで何がタマゴだったかわかりませんが、とにかく私の場合、そんなふうにして良循環ができていったんですね。
十一月にはついにトップセールスを記録し、十二月には2人の部下もできました。
そうすると今度は、「部下に契約を取らせる」というのが目標になります。ところが自分のことじゃないですからね、これがなかなか難しい。それまで以上に一生懸命やっているつもりなんですが、どうしても彼らに契約を取らせることができないんですよ。
なぜだろう、何がまずいんだろう。いま思い出せばたった2週間の売り上げゼロ記録でしたが、出口の見えない長いトンネルを歩いてるように感じて、ずいぶ ん悩みましたね。
そんな私を見て例の上司が、こう言ったんです。「山口、肩に力が入りすぎてるぞ。もっと力を抜け。部下に売らせようと考えてるんだろう? それじゃ無理だ。先月までと同じように、お前が自分で売ってくればいいんだよ」
再び、目からウロコが落ちました。そうか、まずは自分が打ちに行かないといけないんだ、プレイングマネージャーの感覚でいいんだと気づいたんです。ここから「部下に売らせる」という目標が、「いままでどおり自分で売ってきて、部下を食わせる」に修正されたわけです。ようやくカンを取り戻し、売り上げは元どおり順調に伸びていきました。
そしてグループでの売り上げがトップになったとき、「トップの座から落ちたくない」が次の目標となりました。部下が増えるにしたがって、目標は「この中から係長を出したい」となる。係長を1人出したら「次は2人」となる……。そうやって短期・中期の目標を、時には見直して修正しつつも、常に身近に引き寄せてやってきました。
当時は会社全体で200人くらい営業マンがいて、30のチームに分かれていたんです。各チームは部門ごとのグループにまとまっており、私の所属するグループには7チーム——全部で60人近い営業マンがいました。うちのチームメンバーは8人くらいだったんですが、すごいときにはうちだけで、ほかの50数人分の売り上げ合計の倍を売ってました。この時、上司に進言したんです。
「今月もほかのチームの倍売り上げたら、月末に3日間の連休をください!」
売れてる営業マンにとっては、まとまった休みが何よりうれしい。だからこれを目標達成したときの“ごほうび”に設定したわけです。目の前にニンジンがぶら下がってりゃ、馬は走ります。目標達成できたら次は3日間の連休を4日間に……というふうにして、ニンジンを励みに頑張りました。
その結果どうなったか?
入社して1年後には、弱冠21歳で部下20人の大所帯を抱える営業課長に出世です。年収は3000万円。運転手付きの車に乗ってました。だけどもちろんその結果に安住することなく、いつかは営業マンを卒業するつもりでいましたよ。だって、私には経営者になるという長期目標がありましたから。それでも、遠いゴールだけをひたすら目指すんじゃなくて、毎日かえりみて忘れずにいられる短期目標、常にこだわっていられる中期目標があったからこそ、長期目標にたどり着けたんだと思います。
あとから振り返ってみてもうひとつ、この会社に入ったおかげで自分は成長したと感じたことがありました。レジャー会員権という「売るのが難しい」商品、そしてあまり名前が知られてない会社——こうした悪条件のもとに営業活動をするわけですから、自分自身や会社の信頼性を売り込まない限り、お客様の心を動かすことはできないんです。
私が一生懸命になったのはそこでした。自分自身の魅力で売ることができれば、どんな商品の営業でもつとまるようになる。そう考えて努力したおかげで、多くの方が「わかった。山口君に惚れたから、買うよ!」と言ってくださったし、結果として営業力もついたんです。これがもし、大きな会社で有名な商品を売っていたとしたら、ここまで力をつけることはできなかったでしょう。最初に与えられた課題が難しかったことが、自分のためにはとてもよかったと思いますね。