山口恭一の人生を変える就活

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どうやって仕事にアプローチするの?

仕事には「5つの進路」と「3つの職種」がある

さて、皆さんはとりあえず就活を始めようと思っている、あるいは実際に始めてみたわけですね。とはいうものの、ほんとのところ自分が何に向いてるのかわからない、どんな仕事を選べばいいんだろう……と迷ってる人も多いんじゃないでしょうか。
そこでこのカテゴリでは、仕事の絞り方と、それに関連した目標の持ち方についてお話しします。目標を持つことで仕事がうまくいけば、ハッピーな人生が送れる確率が高くなる。だから、仕事の目標イコール人生の目標と考えたってかまいません。
プロローグの中に出てきた、私の先輩の言葉を覚えてますか? 「人生の進路には5つの道がある」という話です。この話に沿って考えれば、仕事へのアプローチのしかたもわかりやすくなると思います。では、あらためてその5つの道を示します。

  1. 大企業のサラリーマン
  2. 中小企業のサラリーマン
  3. 公務員
  4. 専門家
  5. 自営業

以上、大ざっぱに分けて5つです。まずこの中で自分がどこに入れるか、考えてみてください。「どこに入りたいか」じゃなく、「どこに入れる可能性があるのか」です。それから、もし入れる可能性があるにしても、そこへ入って自分がハ ッピーになれそうかどうかも考えること。よくわからなければ、逆に「ここは、無理やり入れたとしても、あまり自分には合わなさそう……」という道を外してみてはどうでしょう。あと、どこに入れるのかだけじゃなく、入ったその場所で上・中間・下のどこになれる可能性があるか、というのも考えたほうがいいです。
ただし誤解のないように言っておきますが、「上になるのが絶対に最高」ってわけではありません。公務員でも、上級官僚を目指すだけが道じゃない。例えば小学校の先生(地方公務員)になり、自然の中で伸び伸びと子供たちを指導したいという人もいるでしょう。それはそれで、すばらしい選択です。役職の上下なんか関係なく、自分自身がハッピーになれる道を、ぜひ探してほしいと思います。
さて、それではちょっと解説しましょう。サラリーマンなら1の大企業か2の中小企業ですが、1の場合、上のほうを目指すなら、偏差値の高い一流大学を出てなければ可能性がないと思います。2の公務員も同じ。大企業のトップクラスとか霞ヶ関の官僚クラスになると、何だかんだ言っても、いまだに東大レベルの人ばかりが名を連ねてますからね。
偏差値で出世が決まるところがあるから、そういう大学を出てないと、上を目指すことは難しいかもしれません。それから公務員の場合はもちろん資格が要ります。
あと4の専門家ってのは、プロスポーツ選手とか芸術家とか医者とか弁護士とか、組織に属さないでも自分の力で稼いでいける人。才能や運や資金力が物を言う場合もあるし、小さいころから目標を持ってやってないとなれないものが多い。今この時点から何かの専門家になろうと考えるのは、もちろん不可能ではないけれども、あまり現実的じゃないですね。
次に、仕事選びで視野に入れてほしいのが、職種です。私は職種をいつも、

  • 営業系
  • 技術系
  • 事務系

の3つに分けて考えてます。
ただし営業ってのは、商品を直接売ることだけを指すんじゃありません。広報とか宣伝とか企画とか、販売促進に関係する部門も広い意味での営業と言えるし、お客様と触れ合うことでリピートオーダーへとつなげる接客業だって営業のひとつ。つまり、売ることやお客様とのつながりが深ければ、営業系と考えます。
「プロ」「マネージメント」「マーケティング」のどれかを目指す
さて、ここからが大事なところ! これら営業・技術・事務の職種それぞれには3つのランクがあるんです。そのランクとは、

  • プロ
  • マネージメント
  • マーケティング

この3つです。野球で言えば「プロ」というのはレギュラー選手。「マネージメント」というのは監督の仕事。そして「マーケティング」をおこなうのが球団経営者、すなわちオーナーですね。選手や監督は野球をやるだけですが、オーナーというのは、球団だけでなくほかの会社にも携わっている人がほとんどでしょ? つまり、広い視野を持って経営をおこなうのが「マーケティング」なんです。
営業の仕事を例にとって説明しましょう。会社の商品を扱う場合、売る品物と値段はすでに決まってます。この決められた商品を決められた価格で、決められたやり方でしか売れないのはただのセールス。決められた商品と決められた価格ではあるが、売り方やトークを工夫し、お客様に喜んでいただきながら継続して売ることができるのがプロ。だから営業の場合、プロならば当然売れる営業マンです。
次に、そんなプロ営業マンを育成し、チームで継続して売らせることができるのがマネージメント。これは営業マンのリーダーですね。そして、商品も価格も売り方も支払い方法も全体のコストもすべて決めて、リーダーとして継続して売らせるのが、マーケティング。つまり、どんなお客をターゲットにして何をいくらでどれくらい売るか、全部コントロールするわけだから、商品開発から経営管理まで幅広い知識と経験が必要になってきます。マーケティングがわかってできるようになれば、経営者になれる可能性大です。
それから技術系のプロというのは、すでにある製品やしくみを改良して、お客様の満足を生み出せる人。マネージメントはそうしたプロを育成・管理する人、マーケティングは製品やしくみをゼロから作り出す人です。
最後に事務系のプロというのは、コーディネイト業務を的確にこなして、お客様や社員などまわりの人間に喜ばれる人ですね。まずはコミュニケーション能力が高いことが条件。電話応対やパソコン操作や報告・連絡・相談のタイミングが上手なことは言うまでもありません。で、事務系のマネージメントというのは、こうしたプロの事務職を育成できる人。そしてマーケティングは、さまざまなコーディネート業務を効率的におこなうシステムをゼロから作り上げられる人です。
これら「プロ」「マネージメント」「マーケティング」のランクに入れるのは、それぞれの職種の中で全体の2割程度でしょう。ここにも「2・6・2の法則」——どんな集団においても優秀な人間は上位2割しかいない、という法則が当てはまります。
それ以外の下位8割はすべて“その他大勢”とみなされる。リストラの対象になったりするのも、たいてい“その他大勢”の人々です。こういう人々は仕事も目標も、与えられ、やらされている感覚から抜けられません。だから会社からすれば、「いてもいなくてもいい人間」「いつ辞められてもあまり影響のない人間」なんです。
ということは、あなたが就職したあと「プロ」「マネージメント」「マーケティング」という3つのランクのどれかになれなければ、お客様とまわりに喜ばれない、期待もされない“その他大勢”になってしまうんですよ。
逆に言うと、3つのランクのどれかになれば、どこへ行ったって通用します。つまり、どんな職種でもプロかマネージメントかマーケティングのどれかなら、たとえ会社が倒産しようがM&Aされようが、何があったって自分ひとりで生きていけるんです。
もし部下を持つのが自分の性に合わないと思えば、最後まで誇り高きプロでいればいい。人を育てるのに興味があるならマネージメントをやればいいし、プロジェクト・マネージャーや一国一城の主になりたけりゃマーケティングを目指せばいい。自分が3つのランクのどこを目標にするか考えて、いまから本気で道を絞る必要があります——与えられ、やらされている感覚の“その他大勢”になりたくないならです。
ちなみに「プロジェクト・マネージャー」というのは、会社の中で新製品や新サービスをゼロから作り上げ、継続的に収益を上げる事業部の責任者です。新製品の開発からターゲットや価格までを全部コントロールするわけですから、これはマーケティングの仕事になってきます。つまりマーケティングというのは、必ずしも経営者に限られるわけじゃありません。
で、そこまで考えてから、業種を絞っていけばいいんですよ。業種ってのは、金融とか自動車とか家電とか食品とかサービスとか、そういうのです。ただし、どうしても嫌いなことはやめといたほうがいいです。日経新聞の産業欄かなんかを見ながら、自分の気が向かない業種に×をつけてみたらいいです。いずれにしても、最初に業種から入るんじゃなくて、3つのランク——「プロ」「マネージメント」「マーケティング」——と、3つの職種——営業系・技術系・事務系——を念頭に置いて仕事選びを考えたらどうでしょう。
例えば「営業系のプロになる!」と決めて目標を設定し、それが実現できそうな会社を探すんです。そしてもしプロになれれば、その後転職したって全然かまいません。プロ営業マンというのは、「お客様を継続的に喜ばせることができる人間」のことだから、会社と売る品物が変わったって絶対に売れます。こういう人は、ステップアップの転職が可能になるんです。
技術系だって事務系だって同じ。プロになれれば、どこの会社に行っても、あなた自身を売り込むことができるようになります。