山口恭一の人生を変える就活

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会社に入らずに働く方法を知っているか?

会社に入らなきゃ狩りができない

言っておきますが、「会社に入る」というのと「働く」というのは、厳密には同じじゃありません。しかし、大学を出てからすぐ会社に入らずに働く方法をあなたは知ってますか?
学生の間に将来の明確な目標を見つけ、それに向かって進んでいるのでない限り、おそらく答えはノーでしょう。そんなあなたが大学を出て働こうと思ったら、どっかの会社に入れてもらうよりほかない。
つまり大半の学生は、大学を卒業してもひとりで狩りができないんですよ。
なぜなら大学ってのは、ひとりで狩りをするつまり自分だけの力で食べていく方法を教えてくれる場所じゃないからです。もちろん医学部とか、ごく一部の専門家を養成する大学は別 にしてですが。
もう一度言います。あなたはひとりで狩りをすることができないから、会社という“狩猟集団”に入れてもらうんです。集団の中には狩りの技術を持った先輩ハンターや、そのハンターたちを率いるリーダーがいる。あなたはそこで狩りの手伝いをしながら、みんなが仕留めた獲物のおこぼれをいただくわけ。もちろん最初はたいして集団の役に立たないから、「すみません、何もできないけど教えてください……」というつもりで手伝わせてもらうしかありません。つまり、教えてもらう立場にいながら、おこぼれをいただく(=給料をもらう)ってことです。
大学生でいる間は、お金を払って教わる側だから、あなたの立場はお客さん。きちんと授業料を納めて学校経営に支障を及ぼさなければ、退学処分になるようなとんでもないことをしない限り、何をしようとどこへ行こうと基本的には文句を言われません。しかし、狩猟集団に属して教えてもらいながら給料をいただく身になったら、早いところ集団に何かお返ししなくちゃいけない。それがわからず、いつまでもお客さん感覚でいるのが、学生気分が抜けないってことなんです。
会社というのは、チームで収益を上げていく集団のことを指します。つまり「ひとりじゃ無理だから、みんなで協力して稼いで分けようぜ」ってこと。もっと身もフタもない言い方をすれば、ひとりで狩りができない人間がいっぱい集まってるところなんです。でもそりゃそうでしょう、人間ってのはもともと、どうしたってひとりじゃ生きていけないんだから。
だけど皆さんが会社に入ることによって、集団のみんなで分けるべき獲物は減ってしまいます。これは、みんながそれぞれ自分の分け前をあなたに投資しているということです。決して恵んでやっているわけじゃありませんよ。
「最初は俺たちの分け前から、お前の分をみんなで出してやる。だからなるべく早く役に立ってくれ。俺たちはお前に投資するんだから、早くそれだけの収益を上げてくれよ」
という意味なんです。だから入社して初めのうちは、先輩たちが稼いできた分で勉強させてもらい、生活を支えてもらっているようなもの。それを自覚せずに「自分を成長させたい」なんて言っても、実現することはできませんよ。
まずはもっと謙虚になりましょう。会社はあなたを成長させるために存在するんじゃないってことを、知ってください。

会社のしくみはこうなっている

会社がやってるのは慈善事業じゃなく、ビジネスです。ビジネスである限り、どんな業種であっても、収益を上げることが求められます。そして安定した収益というのは、お客様や取引先に“継続的に喜んでいただけることを心がけないと、絶対に実現できないんです。単なる儲け主義じゃ会社は成り立っていきません。
さらに会社というのは、お客様や取引先に継続的に喜んでいただきながら、従業員の生活も向上させていかなくちゃならない。それも毎年向上させていくには、去年より今年、今年より来年と、より多くのお客様に喜ばれ続けるようにしなくちゃならない。つまり、ひとりひとりの社員が「お客様に喜んでいただく」、あるいは「まわりに喜んでもらう」にはどうしたらいいか、日々考えなくてはいけないんです。それをやっていったなら、会社も成長するし、あなた自身もいつしか成長することができます。
大学はこの辺が逆ですね。さっきも言ったように、どんな学生でも授業料さえ払ってくれればそれでいい。だけど会社はそうはいかない。お客様にとってマイナスになりそうな人間に投資するゆとりはありません。売り手市場なんて言われてますが、たとえ売り手市場でも、要らない人間はやっぱり要らないんです。
それじゃ、お客様にとってプラスになりそうなのはどういう人間か? 経営者側に「ぜひともうちの会社に欲しい!」と思わせるのは、いったいどんな学生なのか? そういったことを次にお話しましょう。