山口恭一の人生を変える就活

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自立した目標を持とう

大事なのは、自分自身の価値観に基づいた、自立した目標を持つことです。組織の都合に振り回されるのでなく、たとえ組織の中で生きていくとしても、自分の力で生きていくための、自立した目標を持ってほしいと思います。
私は現在ボランティアで、就職活動を意識し始めた大学生や、1、2年生も対象にした、目標設定セミナー&ディスカッションを、年に数回開催しています。創業社長みずから長時間語るというスタイルは珍しいのですが、当社が経営理念としている「人づくり」の一環として数年前から始めました。
セミナーの場で、いろいろな学生さんに出会います。その多くは能力を十分持っているけれども、仕事に対する自分の価値観に基づく自立した目標を持つことができないようです。

とはいえ20歳そこそこでは、仕事に対する明確な目標なんて、持ってないほうが当たり前でしょう。現に私自身も、大学受験に失敗して東京で浪人生活をしてたころまで、将来の目標などまったく持っていませんでした。当然、勉強にも身が入らず遊んでばかり。いま思うと、現実から逃げていたんですね。
そんなときです——現役で大学へ進んだ同級生たちと話していて、将来の話題が出たのは。誰からともなく、自分の今後について語り始めたんですよ。
「やっぱり将来のビジョンを持たなくちゃな。俺は新聞記者になって、政治の世界を裏から見たいんだ」
「俺は官僚だ。キャリアを目指す」
「俺の夢は商社マンになって世界中を飛び回るぜ」
「俺は、田舎の学校の先生になって小中学生の指導をしようと思っている」
「俺は、ダム作りをしたい」
何も言えないのは私だけでした。トイレもない四畳半一間のアパートで、夜ひとりになると、猛烈に落ち込みましたね。彼らはみな、将来こういう仕事をしたいという思いがまずあって、それに合わせた進学先を選んでいる。なのに自分は、将来のことなど考えもしないで、毎日毎日、目の前の楽しさだけを見て、モタモタ浪人していいんだろうか……。
思い余った私は、故郷・福島の知り合い数人に相談してみました。悩みを切り出すと、いまごろ気づいたって遅いと叱られましたが、みんなひと回りもふた回りも年上の先輩方だったので、親身にアドバイスしてくれました。そんな中、人生の進路には大きく分けて5つの選択肢があると教えていただきました。
「まず、サラリーマンなら大企業と中小企業。そのほかには公務員、それから何かの専門家、最後に自営業だ。この中でお前ができそうなものは何だ?」

考えていくと、高卒で今の自分にできる可能性のあるのは、中小企業サラリーマンと自営業しか残らない。だっら自営だ、と思いました。三浪して、中途半端な気持ちで大学に入って、三周遅れで同級生と同じような土俵に上がるより、リスクは伴っても経営者になって、すべて自分で決めて、矢面に立って逃げないで生きて行こうと思いました(というより、そっちのほうがカッコよく思えたし、そもそも高卒から選択できる範囲の中では、最高の選択と思いました)。

このときから、私の将来の目標は決まりました。20歳11カ月で営業マンの世界へ入り、さまざまな努力と苦労とツキにも助けられ、トップセールスマンになりました。そして25歳で独立。
現在は「株式会社 TS日本」を経営し、「捨てない」「壊さない」「取り替えない」をテーマとしたエコビジネスを全国に展開中です。詳しい経緯は本文に書いてありますが、創業以来27年間連続して黒字経営、社長の私自身も、21歳から年収数千万円のレベルをキープ。いまは午後6時以降は仕事しませんし、年間の休みは160日です。時間的・経済的に十分ゆとりのある生活を楽しみながら、「60歳までに20人の経営者を育てる」という現下の目標にチャレンジしています。
無気力・無関心・無感動の落ちこぼれ浪人生だった自分が、高卒からでもいまはこんなにハッピーに生きている。仕事の目標を持つことで、人生変わったんです。
泣いても笑っても仕事から逃げることはできません。どうせやるならハッピーにやるほうがいい。それには、なるべく早いうちに自分の価値観で自立した目標を持つことです。特に男性の場合は長く仕事をすることになるので、やっぱり仕事イコール人生なんです。だから仕事でまわりから喜ばれて、やり甲斐を感じることができれば、ハッピーな人生を送れる確率も高くなるんじゃないでしょうか。

さてこれから私の実体験に基づいて、いろいろな話をしていきます。これまで多くの学生諸君の前で話してきた内容を、エッセンスにしてまとめてみました。いわば、誌上版セミナーです。押しつけるつもりはありませんが、皆さんは、少なくとも高卒の私よりは目標の選択肢は広いはずです。ぜひ何かをつかんでほしいと思います。
本文は5つのカテゴリに分かれていますが、どこから読み始めてもらってもかまいません。人生の目標が持てない、仕事の絞り方がわからないという人は「2目標持つと人生が変わる」から、営業という職種に興味ある人は「第5章 本気で営業やるために」から読めばいいでしょう。また、各カテゴリーの最後には「社長が教える就活のガッツ」と題して、核心となるポイントをいくつかまとめてお きました。内容確認のために役立ててください。
最初から順番に読み進めていった場合、似たような表現が重複していると感じ ることもあるでしょうが、どこからでも読める本にするための工夫ですので、ご理解ください。またそういった重複箇所はほとんどの場合、私が皆さんにとりわけ強調して訴えたい内容となっているはずです。就活だけでなく、これからの生き方への参考にもしてもらえれば、著者としてはうれしい限りです。

山口恭一