山口恭一の人生を変える就活

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どうすれば年上に可愛がられるか?

何でもかんでも聞きに行く

それじゃ、どうすれば年長者に可愛がってもらえるのか——これは、自分がどんな後輩を可愛いと思うか、考えてみればわかるんじゃないでしょうか。
セミナー会場で「あなたにとって可愛いのはどんな後輩?」と学生諸君に尋ねると、例えばこういう答えが返ってきます。
「自分を慕って何でも聞きに来る後輩」
「礼儀正しい後輩」
「明るい後輩」
「何でも言われたことを一生懸命やる後輩」
「真面目で素直な後輩」
そう、まさにそのとおりのことを年長者たちも考えているんですよ。自分を慕って教えを請いに来る人や、一生懸命な人は、年長者にとっても可愛いものなんです。だから、どんなことでも知ったかぶりをしないで、年長者にどんどん聞きに行きましょう。そして話を聞くときは、カッコつけないで、素直に自分自身をさらけ出すことが大事です。
ところが、いくら私がこんなふうに言っても、いまどきの学生諸君はパソコン・携帯世代のせいか、人に話を聞くことをあまりしませんね。誰かに教えを請う、というのが苦手のようです。
何かわからないことがあれば、まずインターネットで調べようとする。あるいは『○○のやり方』といったマニュアルを頼りにしたりします。
しかし、ちょっと考えてみてほしい。例えばあなたが「サッカーやりたい!」と思ったとして、マニュアルだけを読んでいきなりピッチに立ちますか? あるいは、女性が将来結婚して赤ちゃんを産むとする。育児に関する情報すべてをインターネットで手に入れただけで、出産にのぞむでしょうか? そんなはずはない、と私は信じたいですね。やっぱり、経験者や上手な人にいろいろ聞いて教わる、というのが物事の基本だと思うんです。
わからないことはわかる人に聞くのが手っ取り早いし、よく理解もできるんですよ。何をやるにしても、インターネットを見たりマニュアルを読んだりするより、上手な人に教わるのが一番です。私の場合、仕事で壁にぶつかったときも、まず売れている人にやり方を聞きに行きました。売れている人というのは前向きな方ばかりなので、自分のモチベーションも高く保てるんです。ずいぶん励まされたし、勇気づけられましたね。
とにかく、下手なプライドや恥ずかしさをかなぐり捨てて、何でもかんでも人に聞きに行くのが上達の早道です。それによって人脈も増えていきます。
自分にとって必要な情報は、コンピューターの中だけにあるんじゃないのです。
“情報=人”なんです。それに、恥を忍んで人に何でも聞けるのは若いうちだけですよ。まさに、「聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥」です。

パクリこそ成長の秘訣

年長者に限らず、他人から可愛がられる人ってのは、当たり前のようだけど「可愛げのある人」。簡単に言うなら、素直な人でしょう。こういう人物は、面倒見てやろう、いろいろ教えてやろう、と他人から思ってもらえる。
素直な人とは、与えられた目標に対して、自分の時間を無心に投資できる人です。言われたことに対してひたむきに取り組む人です。上司やできる先輩から「○○してみたらいいよ」とアドバイスされれば、「はい」と答えて、そのとおり やってみる人です。
ただし誤解のないように付け加えますが、素直な人というのは、返事だけハイハイと調子のいい「イエスマン」とは違いますよ。上司やできる先輩が教えてくれる仕事のコツを、すぐ実際にやってみる——つまり実行に移して自分の身にすることができるのが、素直な人なんです。
素直な人は、他人の真似をすることができる。年長者の話を聞いて役立ちそうなことを自分もやってみたり、仕事上手な人のやり方を参考にしたり……つねに他人のよいところを探し出し、少しでも真似できるところを見つけようとするんですね。
ちなみに私の場合、最初にできる人の真似をしたのは歩き方でした。仕事上手な人ってのは、歩くのが早いんです。時間を無駄にしない癖がついているんでしょう。次に、売れている先輩営業マンの販売ツール。それから、先輩営業マンがかつてやっていた訓練方法。この3つを即、真似させてもらいましたね。
しかし、新卒対象の説明会などで「他人のよいところを真似しなさい」と勧めると、「それってパクリじゃないんですか?」と言われることがあります。いまの若者は、他人の真似=パクリだからかっこ悪い、なんて思っているんですね。これはおかしい。スポーツでも芸術でも、入門してまずやるのは、上手な人の真似をすることでしょう。そこからしか始まらないんですよ。仕事に関してだけ例外が成立するわけはない。
真似しろというのは、何も偽ブランド品みたいな“コピー”を目指せってんじゃありません。初心者のうちはお手本を真似して基本を身につけろ、というだけの話。そこから独創的なものを生み出せばいいんです。これが日本人の強みじゃないですか。日本は最初アメリカの真似から始まって、そのうち独自のすばらしい製品を開発したでしょう——自動車しかり、コンピューターしかり。それと同じことですよ。
パクるのは恥だという発想は、今日から捨てましょう。むしろパクリOK、パクリこそ成長の秘訣だと言えるんです。年長者の言うことを素直に聞き、できる先輩のいいところを無心に真似して、おおいにパクってください。

年上とのお付き合いに必要なもの

もう一度繰り返します。仕事で成長するコツは、とにかく年長者に可愛がられるようになること。年長者の人脈があなたの人生を決める、と言っても言いすぎじゃないくらいです。
だから、できれば大学を卒業するまでの間に、年長者とのお付き合いのしかたを学んでおくといいですね。どんなスポーツも、試合の前には必ず練習の積み重ねがあります。それと同じで、社会という試合の場に出る前に、目上の人々との接し方を練習しておくことをお勧めします。
では年長者とのお付き合いの前に、これだけは押さえておきたいというポイントを、次にいくつか挙げてみましょう。
まずポイントとなるのは、言葉遣いです。目上の人に対して、ちゃんとした敬語を使える自信はありますか?正しくきれいに敬語を使うのはなかなか難しいものです。まあ、たとえいまは自信がなくても、使っているうちに慣れてくる面もあるでしょう。しかし、少なくともタメ口で話すのだけは、絶対にアウトですよ。
次に、礼儀正しい態度を心がけてください。例えば年長者の話を聴くときに、脚を組んだりひじをついたりしちゃいけません。上の空でキョロキョロしたり、話している相手の方の顔を見ないでひたすらメモ取りに専念したりするのもダメ。学校の授業を受けてるんじゃないんです。年長者に対してこうした態度は、大変失礼になりますよ。むやみに緊張する必要もないですが、相手から見られているという意識をつねに持っていたいものです。
また年長者と会うときの服装や化粧などは、TPO(時と場所と場合)を考えたものにすること。清潔感も大事です。身だしなみに気を配ってください。
そして最後に、きちんと挨拶ができるようになること。挨拶は社会人としての基本中の基本とも言えるものです。
こういう話を聞いて、「そんなの全部当たり前のことじゃないか」と思う人もいるかもしれませんね。しかし実際、ちゃんとした大学を出ていても、敬語が使えなかったり、礼儀を知らなかったり、挨拶ができなかったりする新入社員が、世の中にはごまんといるんです。
例えば当社の会社説明会で、私が話をしたあと質問はないかと聞きますね。すると手を挙げた学生が、いきなり「これこれについてはどうなんですか?」と発言したりする。まずは「○○大学の△△と申します。本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました」という挨拶から始めるのが当たり前でしょうその当たり前のことができない学生が毎年いるんですよ。いまのうちから練習しておいて損はありません。
言葉遣い、礼儀、身だしなみ、挨拶——難しいものはひとつもないはず。
要は、人生の先輩方に対する敬意を忘れないようにすればいいだけで、一人前の大人ならどれもできて当たり前なんです。当たり前のことが当たり前にできる——これが、年長者とのお付き合いでは絶対に外せないポイントだと言えるでしょう。